本義序例        懐徳堂文庫本『周易雕題』を参考とした。
 

河   圖

洛   書

繫辭傳曰、河出圖、洛出書。聖人則之。又曰、天一地二。天三地四。天五地六。天七地八。天九地十。天數五、地數五。五位相得而各有合。天數二十有五。地數三十。凡天地之數五十有五。此所以成變化而行鬼神也。此河圖之數也。洛書蓋取龜象。故其數、戴九履一、左三、右七、二・四爲肩、六・八爲足。蔡元定曰、圖書之象、自漢孔安國・劉歆、魏關朗子明、有宋康節先生邵雍堯夫、皆謂如此。至劉牧始兩易其名而諸家因之。故今復之悉從其舊。
【読み】
繫辭傳に曰く、河は圖を出だし、洛は書を出だす。聖人は之に則れり、と。又曰く、天一地二。天三地四。天五地六。天七地八。天九地十。天數五つ、地數五つ。五位相得て各々合うこと有り。天數は二十有五。地數は三十。凡て天地の數は五十有五。此れ變化を成して鬼神を行う所以なり、と。此れ河圖の數なり。洛書は蓋し龜の象に取る。故に其の數は、九を戴き一を履み、左三に、右七、二・四を肩と爲し、六・八を足と爲す。蔡元定が曰く、圖書の象は、漢の孔安國・劉歆、魏の關朗子明、有宋の康節先生邵雍堯夫より、皆謂えること此の如し。劉牧に至りて始めて兩つながら其の名を易えて諸家之に因る、と。故に今之を復して悉く其の舊に從う。

伏羲八卦次序

繫辭傳曰、易有太極。是生兩儀。兩儀生四象。四象生八卦。邵子曰、一分爲二、二分爲四、四分爲八也。說卦傳曰、易逆數也。邵子曰、乾一、兌二、離三、震四、巽五、坎六、艮七、坤八。自乾至坤、皆得未生之卦。若逆推四時之比也。後六十四卦次序放此。黑白之位本非古法。但今欲易曉、且爲此以寓之耳。後六十四卦次序放此。
【読み】
繫辭傳に曰く、易に太極有り。是れ兩儀を生ず。兩儀は四象を生ず。四象は八卦を生ず、と。邵子曰く、一分かれて二と爲り、二分かれて四と爲り、四分かれて八と爲る、と。說卦傳に曰く、易は逆數なり、と。邵子曰く、乾一、兌二、離三、震四、巽五、坎六、艮七、坤八、と。乾より坤に至りて、皆未生の卦を得。逆に四時を推すの比[たぐい]の若し。後の六十四卦の次序も此に放え。黑白の位は本古法に非ず。但今曉り易からんことを欲し、且つ此を爲して以て之を寓するのみ。後の六十四卦の次序も此に放え。

伏羲八卦方位

說卦傳曰、天地定位、山澤通氣、雷風相薄、水火不相射、八卦相錯。數往者順、知來者逆。邵子曰、乾南、坤北、離東、坎西、震東北、兌東南、巽西南、艮西北。自震至乾爲順、自巽至坤爲逆。後六十四卦方位放此。
【読み】
說卦傳に曰く、天地位を定め、山澤氣を通じ、雷風相い薄[せま]り、水火相射[いと]わず、八卦相錯[まじ]わる。往を數うるは順、來を知るは逆なり。邵子曰く、乾は南、坤は北、離は東、坎は西、震は東北、兌は東南、巽は西南、艮は西北、と。震より乾に至るを順と爲し、巽より坤に至るを逆と爲す。後の六十四卦の方位も此に放え。

伏羲六十四卦次序

前八卦次序圖、卽繫辭傳所謂八卦成列者。此圖、卽其所謂因而重之者也。故下三畫卽前圖之八卦。上三畫則各以其序重之、而下卦因亦各衍而爲八也。若逐爻漸生、則邵子所謂八分爲十六、十六分爲三十二、三十二分爲六十四者。尤見法象自然之妙也。
【読み】
前の八卦の次序の圖は、卽ち繫辭傳に謂う所の八卦列を成す者なり。此の圖は、卽ち其の謂う所に因りて之を重ぬる者なり。故に下の三畫は卽ち前圖の八卦なり。上の三畫は則ち各々其の序を以て之を重ねて、下の卦は因りて亦各々衍[の]べて八と爲るなり。若し爻を逐いて漸く生ずれば、則ち邵子謂う所の八分かれて十六と爲り、十六分かれて三十二と爲り、三十二分かれて六十四と爲る者なり。尤も法象自然の妙を見るなり。

伏羲六十四卦方位

右、伏羲四圖、其說皆出於邵氏。蓋邵氏得之李之才挺之、挺之得之穆脩伯長、伯長得之華山希夷先生陳摶圖南者。所謂先天之學也。此圖圓布者、乾盡午中、坤盡子中、離盡卯中、坎盡酉中。陽生於子中、極於午中、陰生於午中、極於子中。其陽在南、其陰在北。方布者、乾始於西北、坤盡於東南。其陽在北、其陰在南。此二者、陰陽對待之數、圓於外者爲陽、方於中者爲陰。圓者動而爲天、方者靜而爲地者也。圓圖、乾在南、坤在北、方圖、坤在南、乾在北。乾位陽畫之聚爲多、坤位陰畫之聚爲多。此陰陽之各以類而聚也。亦莫不有自然之法象焉。圓圖象天、一順一逆、流行中有對待。如震八卦對巽八卦之類。方圖象地、有逆无順。定位中有對待、四角相對。如乾八卦對坤八卦之類。此則方圓圖之辨也。圓圖象天者。天圓而動■■地外。方圖象地者。地方而靜囿乎天中。圓圖者天道之陰陽、方圖者地道之柔剛。震・離・兌・乾爲天之陽、地之剛、巽・坎・艮・坤爲天之陰、地之柔。地道承天而行、以地之柔剛應天之陰陽。同一理也。特在天者、一逆一順。卦氣所以運。在地者、惟主乎逆。卦畫所以成耳。
【読み】
右、伏羲の四圖、其の說は皆邵氏より出でたり。蓋し邵氏之を李之才挺之に得、挺之之を穆脩伯長に得、伯長之を華山の希夷先生陳摶圖南に得。謂う所の先天の學なり。此の圖圓[まど]かに布けるは、乾午の中に盡き、坤子の中に盡き、離卯の中に盡き、坎酉の中に盡く。陽子の中に生じ、午の中に極まり、陰午の中に生じ、子の中に極まる。其の陽南に在り、其の陰北に在り。方に布けるは、乾西北に始まり、坤東南に盡く。其の陽北に在り、其の陰南に在り。此の二つの者は、陰陽對待の數、外に圓かなる者は陽爲り、中に方なる者は陰爲り。圓かなる者は動いて天爲り、方なる者は靜にして地爲る者なり。圓圖は、乾南に在り、坤北に在り、方圖は、坤南に在り、乾北に在り。乾位は陽畫の聚まり多しと爲し、坤位は陰畫の聚まり多しと爲す。此れ陰陽の各々類を以て聚まるなり。亦自然の法象有らざること莫し。圓圖は天に象り、一順一逆、流行の中に對待有り。震の八卦の巽の八卦に對するの類の如し。方圖は地に象り、逆有りて順无し。定位の中に對待有り、四角相對す。乾の八卦の坤の八卦に對するの類の如し。此れ則ち方圓圖の辨なり。圓圖は天に象る者なり。天は圓かにして動き地の外を。方圖は地を象る者なり。地は方にして靜に天の中に囿う。圓圖は天道の陰陽、方圖は地道の柔剛。震・離・兌・乾を天の陽、地の剛と爲し、巽・坎・艮・坤を天の陰、地の柔と爲す。地道は天を承けて行き、地の柔剛を以て天の陰陽に應ず。同じく一理なり。特に天に在る者は、一逆一順なり。卦氣の運る所以なり。地に在る者は、惟逆を主とす。卦畫の成る所以なるのみ。

文王八卦次序

文王八卦方位

右、見說卦。邵子曰、此文王八卦、乃入用之位。後天之學也。
【読み】
右、說卦に見えたり。邵子曰く、此れ文王の八卦、乃ち入用の位なり、と。後天の學なり。
 

卦變圖

彖傳或以卦變爲說。今作此圖以明之。蓋易中之一義、非畫卦作易之本指也。
【読み】
彖傳或は卦變を以て說を爲せり。今此の圖を作りて以て之を明らかにす。蓋し易中の一義は、卦を畫し易を作れるの本指に非ざるなり。

凡一陰一陽之卦、各六。皆自復・姤而來。五陰五陽、卦同圖異。
【読み】
凡そ一陰一陽の卦、各々六つ。皆復・姤よりして來る。五陰五陽は、卦同じく圖異なり。

大有

小畜

同人

凡二陰二陽之卦、各十有五。皆自臨・遯而來。四陰四陽、卦同圖異。
【読み】
凡そ二陰二陽の卦、各々十有五。皆臨・遯よりして來る。四陰四陽は、卦同じく圖異なり。

大過 大壯
   
  大畜  
       
小過     家人 中孚    
           
明夷       无妄      
               
               

凡三陰三陽之卦、各二十。皆自泰・否而來。
【読み】
凡そ三陰三陽の卦、各々二十。皆泰・否よりして來る。

噬嗑 未濟 旣濟 歸来
               
旣濟         未濟   噬嗑      
                           
歸妹                            
                                   
                                   

凡四陰四陽之卦、各十有五。皆自大壯・觀而來。二陰二陽、圖已見前。
【読み】
凡そ四陰四陽の卦、各々十有五。皆大壯・觀よりして來る。二陰二陽は、圖已に前に見えたり。

大畜 中孚 家人 无妄 小過 明夷
                       
      大過                  
                                   
大壯                                    

凡五陰五陽之卦、各六。皆自夬・剥而來。一陰一陽、圖已見前。
【読み】
凡そ五陰五陽の卦、各々六つ。皆夬・剥よりして來る。一陰一陽は、圖已に前に見えたり。

大有 小畜 同人
               
               

右、易之圖九、有天地自然之易、有伏羲之易、有文王・周公之易、有孔子之易。自伏羲以上皆无文字。只有圖畫。最宜深玩。可見作易本原精微之意。文王以下方有文字。卽今之周易。然讀者亦宜各就本文消息、不可便以孔子之說爲文王之說也。
【読み】
右、易の圖九つ、天地自然の易有り、伏羲の易有り、文王・周公の易有り、孔子の易有り。伏羲より以上は皆文字无し。只圖畫有り。最も宜しく深く玩ぶべし。易を作れる本原精微の意を見る可し。文王以下は方に文字有り。卽ち今の周易なり。然るに讀む者も亦宜しく各々本文に就いて消息すべく、便ち孔子の說を以て文王の說と爲す可からざるなり。
 

筮 儀

擇地潔處爲蓍室、南戶、置牀于室中央。
【読み】
地の潔き處を擇びて蓍室を爲り、戶を南にし、牀を室の中央に置く。

牀大約長五尺、廣三尺。毋太近壁。
【読み】
牀は大約長さ五尺、廣さ三尺。太だ壁に近づくること毋かれ。

蓍五十莖。韜以纁帛、貯以皁囊、納之櫝中、置于牀北。
【読み】
蓍は五十莖。韜[つつ]むに纁帛を以てし、貯るに皁囊を以てし、之を櫝の中に納め、牀の北に置く。

櫝以竹筒或堅木或布漆爲之。圓徑三寸、如蓍之長、半爲底、半爲蓋、下別爲臺、函之使不偃仆。
【読み】
櫝は竹筒或は堅木或は布漆を以て之を爲る。圓徑三寸、蓍の長さの如くし、半を底と爲し、半を蓋と爲し、下に別に臺を爲りて、之を函れ偃仆せざらしむ。

設木格于櫝南、居牀二分之北。
【読み】
木格を櫝の南に設け、牀二分の北に居く。

格以橫木板爲之。高一尺、長竟牀。當中爲兩大刻。相距一尺、大刻之西爲三小刻。相距各五寸許、下施橫足側立案上。
【読み】
格は橫木板を以て之を爲る。高さ一尺、長さ牀を竟う。中に當たりて兩つの大刻を爲す。相距てること一尺、大刻の西に三つの小刻を爲す。相距てること各々五寸許[ばか]り、下に橫足を施して案上に側だてて立つ。

置香爐一于格南、香合一于爐南、日炷香致敬。將筮、則灑掃拂拭、滌硯一注水、及筆一墨一黄漆板一于爐東東上。筮者齋潔衣冠北面、盥手焚香致敬。
【読み】
香爐一つを格の南に、香合一つを爐の南に置き、日々に香を炷[た]き敬を致す。將に筮せんとすれば、則ち灑掃拂拭し、硯一つを滌[あら]いて水を注ぎ、及び筆一つ墨一つ黄漆の板一つ爐の東に于て東上す。筮者齋潔衣冠し北面して、手を盥い香を焚き敬を致す。

筮者北面、見儀禮。若使人筮、則主人焚香畢少退北面立。筮者進立於牀前、少西南向受命。主人直述所占之事。筮者許諾。主人右還西向立。筮者右還北向立。
【読み】
筮者北面すること、儀禮に見えたり。若し人をして筮せしめれば、則ち主人香を焚き畢りて少し退き北面して立つ。筮者進みて牀の前に立ち、少し西し南に向いて命を受く。主人直に占う所の事を述ぶ。筮者許諾す。主人右に還り西に向いて立つ。筮者右に還り北に向いて立つ。

両手奉櫝蓋置于格南爐北出蓍于櫝、去囊解韜置于櫝東、合五十策、兩手執之薫於爐上。
【読み】
両手にて櫝の蓋を奉じて格の南爐の北に置いて蓍を櫝より出し、囊を去り韜を解いて櫝の東に置き、五十策を合わせ、兩手にて之を執りて爐上に薫ず。

此後、所用蓍策之數、其說、並見啓蒙。
【読み】
此の後、用うる所の蓍策の數、其の說、並[とも]に啓蒙に見えたり。

命之曰、假爾泰筮有常、假爾泰筮有常。某官姓名、今以某事云云、未知可否、爰質所疑于神于靈。吉凶得失悔吝憂虞、惟爾有神、尙明告之。乃以右手取其一策、反於櫝中、而以左右手中分四十九策、置格之左右兩大刻。
【読み】
之に命じて曰く、爾の泰筮常有るに假る、爾の泰筮常有るに假る。某の官姓名、今某の事云云、未だ可否を知らざるを以て、爰に疑う所を神に靈に質す。吉凶得失悔吝憂虞、惟れ爾と有神、尙わくは明らかに之を告げよ、と。乃ち右の手を以て其の一策を取り、櫝の中に反して、左右の手を以て四十九策を中分して、格の左右の兩つの大刻に置く。

此第一營。所謂分而爲二。以象兩者也。
【読み】
此れ第一營なり。謂う所の分けて二と爲すなり。以て兩に象る者なり。

次以左手取左大刻之策、執之、而以右手取右大刻之一策、掛于左手之小指閒。
【読み】
次に左の手を以て左の大刻の策を取り、之を執りて、右の手を以て右の大刻の一策を取り、左手の小指の閒に掛く。

此第二營。所謂掛一。以象三者也。
【読み】
此れ第二營なり。謂う所の一を掛くなり。以て三に象る者なり。

次以右手四揲左手之策。
【読み】
次に右の手を以て四つずつ左の手の策を揲うる。

此第三營之半。所謂揲之以四。以象四時者也。
【読み】
此れ第三營の半なり。謂う所の之を揲うるに四を以てするなり。以て四時に象る者なり。

次歸其所餘之策、或一、或二、或三、或四、而扐之左手无名指閒。
【読み】
次に其の餘る所の策、或は一つ、或は二つ、或は三つ、或は四つを歸して、之を左の手の无名指の閒に扐む。

此第四營之半。所謂歸奇於扐。以象閏者也。
【読み】
此れ第四營の半なり。謂う所の奇を扐に歸すなり。以て閏に象る者なり。

次以右手反過揲之策於左大刻、遂取右大刻之策、執之、而以左手四揲之。
【読み】
次に右の手を以て過揲の策を左の大刻に反し、遂に右の大刻の策を取り、之を執りて、左の手を以て四つずつ之を揲うる。

此第三營之半。
【読み】
此れ第三營の半なり。

次歸其所餘之策如前、而扐之左手中指之閒。
【読み】
次に其の餘る所の策前の如きを歸して、之を左の手の中指の閒に扐む。

此第四營之半。所謂再扐。以象再閏者也。一變所餘之策、左一則右必三、左二則右亦二、左三則右必一、左四則右亦四。通掛一之策、不五則九。五以一其四而爲奇、九以兩其四而爲耦。奇者三而耦者一也。
【読み】
此れ第四營の半なり。謂う所の再扐するなり。以て再閏に象る者なり。一變餘る所の策は、左一つなれば則ち右必ず三つ、左二つなれば則ち右も亦二つ、左三つなれば則ち右必ず一つ、左四つなれば則ち右も亦四つ。掛一の策を通じ、五つならざれば則ち九つ。五つは以て其の四つを一つにして奇と爲し、九つは以て其の四つを兩つにして耦と爲す。奇は三つにして耦は一つなり。

次以右手反過揲之策於右大刻、而合左手一掛二扐之策、置於格上第一小刻。
【読み】
次に右の手を以て過揲の策を右の大刻に反して、左の手の一掛二扐の策を合わせて、格上第一の小刻に置く。

以東爲上。後放此。
【読み】
東を以て上と爲す。後も此に放え。

是爲一變。再以兩手取左右大刻之蓍合之。
【読み】
是を一變と爲す。再び兩手を以て左右大刻の蓍を取りて之を合す。

或四十四策、或四十策。
【読み】
或は四十四策、或は四十策なり。

復四營如第一變之儀、而置其掛扐之策於格上第二小刻。是爲二變。
【読み】
復四營すること第一變の儀の如くして、其の掛扐の策を格上第二の小刻に置く。是を二變と爲す。

二變所餘之策、左一則右必二、左二則右必一、左三則右必四、左四則右必三。通掛一之策、不四則八。四以一其四而爲奇、八以兩其四而爲耦。奇耦各得四之二焉。
【読み】
二變餘る所の策は、左一つなれば則ち右必ず二つ、左二つなれば則ち右必ず一つ、左三つなれば則ち右必ず四つ、左四つなれば則ち右必ず三つ。掛一の策を通じ、四つならざれば則ち八つ。四つは以て其の四つを一つにして奇と爲し、八つは以て其の四つを兩つにして耦と爲す。奇耦各々四の二を得。

又再取左右大刻之蓍合之。
【読み】
又再び左右大刻の蓍を取りて之を合わす。

或四十策、或三十六策、或三十二策。
【読み】
或は四十策、或は三十六策、或は三十二策なり。

復四營如第二變之儀、而置其掛扐之策於格上第三小刻。是爲三變。
【読み】
復四營すること第二變の儀の如くして、其の掛扐の策を格上第三の小刻に置く。是を三變と爲す。

三變餘策與二變同。
【読み】
三變の餘策は二變と同じ。

三變旣畢、乃視其三變所得掛扐過揲之策、而畫其爻於版。
【読み】
三變旣に畢わり、乃ち其三變得る所の掛扐過揲の策を視て、其の爻を版に畫す。

掛扐之數五・四爲奇、九・八爲耦。掛扐三奇合十三策、則過揲三十六策而爲老陽、其畫爲。所謂重也。掛扐兩奇一耦合十七策、則過揲三十二策而爲小陰、其畫--。所謂拆也。掛扐兩耦一奇合二十一策、則過揲二十八策而爲小陽、其畫爲。所謂單也。掛扐三耦合二十五策、則過揲二十四策而爲老陰、其畫爲×。所謂交也。
【読み】
掛扐の數五つ・四つを奇と爲し、九つ・八つを耦と爲す。掛扐三奇合いて十三策なれば、則ち過揲三十六策にして老陽と爲し、其の畫はを爲す。謂う所の重なり。掛扐兩奇一耦合いて十七策なれば、則ち過揲三十二策にして小陰と爲し、其の畫は--を爲す。謂う所の拆なり。掛扐兩耦一奇合いて二十一策なれば、則ち過揲二十八策にして小陽と爲し、其の畫はを爲す。謂う所の單なり。掛扐三耦合いて二十五策なれば、則ち過揲二十四策にして老陰と爲し、其の畫は×を爲す。謂う所の交なり。

如是每三變而成爻。
【読み】
是の如く三變每にして爻を成す。

第一、第四、第七、第十、第十三、第十六、凡六變並同。但第三變以下不命、而但用四十九蓍耳。第二、第五、第八、第十一、第十四、第十七、凡六變亦同。第三、第六、第九、第十二、第十五、第十八、凡六變亦同。
【読み】
第一、第四、第七、第十、第十三、第十六は、凡て六變並に同じ。但第三變以下は命ぜずして、但四十九蓍を用うるのみ。第二、第五、第八、第十一、第十四、第十七は、凡て六變亦同じ。第三、第六、第九、第十二、第十五、第十八は、凡て六變亦同じ。

凡十有八變而成卦。乃考其卦之變、而占其事之吉凶。
【読み】
凡て十有八變して卦を成す。乃ち其の卦の變を考えて、其の事の吉凶を占う。

卦變別有圖說。見啓蒙。
【読み】
卦變別に圖說有り。啓蒙に見えたり。

禮畢、韜蓍襲之以囊、入櫝加蓋、斂筆硯墨版、再焚香致敬而退。
【読み】
禮畢わりて、蓍を韜み之を襲[かさ]ぬるに囊を以てし、櫝に入れ蓋を加え、筆硯墨版を斂め、再び香を焚き敬を致して退く。

如使人筮、則主人焚香、揖筮者而退。
【読み】
如し人をして筮せしむれば、則ち主人香を焚き、筮者を揖して退く。
 

五 贊

原 象
太一肇判、陰降陽升。陽一以施、陰兩而承。
惟皇昊羲、仰觀俯察。奇耦旣陳、兩儀斯設。
旣幹乃支、一各生兩。陰陽交錯、以立四象。
奇加以奇、曰陽之陽。奇而加耦、陽陰以章。
耦而加奇、陰内陽外。耦復加耦、陰與陰會。
兩一旣分、一復生兩。三才在目、八卦指掌。
奇奇而奇、初一曰乾。奇奇而耦、兌次二焉。
奇耦而奇、次三曰離。奇耦而耦、四震以隨。
耦奇而奇、巽居次五。耦奇而耦、坎六斯覩。
耦耦而奇、艮居次七。耦耦而耦、坤八以畢。
初畫爲儀、中畫爲象。上畫卦成、人文斯朗。
因而重之、一貞八悔。六十四卦、由内達外。
交易爲體、往此來彼。變易爲用、時靜時動。
降帝而王、傳夏歴商。有占无文、民用弗章。
文王繫彖、周公繫爻。視此八卦、二純六交。
乃乾斯父、乃坤斯母。震坎艮男、巽離兌女。
離南坎北、震東兌西。乾坤艮巽、位以四維。
建官立師、命曰周易。孔聖傳之、是爲十翼。
遭秦弗燼、及宋而明。邵傳羲畫、程演周經。
象陳數列、言盡理得。彌億萬年、永著常式。
【読み】
太一肇めて判れ、陰降り陽升る。陽は一にして以て施し、陰は兩にして承く。
惟れ皇いなる昊羲、仰ぎて觀俯して察す。奇耦旣に陳べ、兩儀斯に設けり。
旣に幹にて乃ち支、一各々兩を生ず。陰陽交わり錯わりて、以て四象を立つ。
奇加うるに奇を以てして、陽の陽と曰う。奇にして耦を加えて、陽陰以て章[あやど]る。
耦にして奇を加えて、陰は内に陽は外なり。耦復耦を加えて、陰と陰と會す。
兩一旣に分かれて、一復兩を生ず。三才目に在り、八卦掌を指す。
奇奇にして奇、初一を乾と曰う。奇奇にして耦、兌は次の二なり。
奇耦にして奇、次の三を離と曰う。奇耦にして耦、四震以て隨う。
耦奇にして奇、巽次の五に居る。耦奇にして耦、坎六斯に覩ゆ。
耦耦にして奇、艮次の七に居る。耦耦にして耦、坤八以て畢わる。
初畫を儀と爲し、中畫を象と爲す。上畫卦成りて、人文斯に朗らかなり。
因りて之を重ね、一貞八悔。六十四卦、内由り外に達[とお]る。
交易體を爲して、此より往き彼より來る。變易用を爲して、時に靜かに時に動く。
帝に降ろして王、夏に傳え商を歴る。占有り文无く、民用章かならず。
文王彖を繫け、周公爻を繫く。此の八卦を視るに、二つは純らに六つは交われり。
乃ち乾は斯れ父、乃ち坤は斯れ母なり。震・坎・艮は男、巽・離・兌は女なり。
離は南、坎は北、震は東、兌は西。乾・坤・艮・巽、位四維を以てす。
官を建て師を立て、命じて周易と曰う。孔聖之に傳し、是を十翼と爲す。
秦に遭いて燼[や]けず、宋に及んで明らかなり。邵は羲畫を傳え、程は周經を演[の]べり。
象陳べ數列ね、言盡き理得たり。億萬年に彌[わた]りて、永く常式を著す。

述 旨
昔在上古、世質民淳。是非莫別、利害不分。
風氣旣開、乃生聖人。聰明睿知、出類超羣。
仰觀俯察、始畫奇耦。敎之卜筮、以斷可否。
作爲君師、開鑿戶牖。民用不迷、以有常守。
降及中古、世變風移。淳澆質喪、民僞日滋。
穆穆文王、身蒙大難。安土樂天、惟世之患。
乃本卦義、繫此彖辭。爰及周公、六爻是資。
因事設敎、丁寧詳密。必中必正、乃亨乃吉。
語子惟孝、語臣則忠。鈞深闡微、如日之中。
爰曁末流、淫於術數。僂句成欺、黄裳亦誤。
大哉孔子、晩好是書。韋編旣絶、八索以祛。
乃作彖象、十翼之篇。專用義理、發揮經言。
居省象辭、動察變占。存亡進退、陟降飛潛。
曰毫曰釐、匪差匪繆。假我數年、庶无大咎。
恭惟三古、四聖一心。埀象炳明、千載是臨。
惟是學者、不本其初。文辭象數、或肆或拘。
嗟予小子、旣微且陋。鑽仰沒身、奚測奚究。
匪警滋荒、匪識滋漏。維用存疑。敢曰埀後。
【読み】
昔在上古は、世質にて民淳。是非別つこと莫く、利害分かたず。
風氣旣に開けて、乃ち聖人を生ず。聰明睿知、類を出でて羣を超えり。
仰いで觀俯して察し、始めて奇耦を畫す。之に卜筮を敎えて、以て可否を斷[ことわ]る。
君師を作爲し、戶牖を開鑿す。民用迷わずして、以て常の守り有り。
降りて中古に及んで、世變わり風移る。淳澆[うす]く質喪いて、民僞日々に滋し。
穆穆たる文王、身大難を蒙る。土を安んじ天を樂しみ、惟世のみ之れ患う。
乃ち卦の義に本づき、此の彖の辭を繫けり。爰に周公に及んで、六爻是れ資れり。
事に因りて敎を設け、丁寧詳密なり。必中必正、乃ち亨り乃ち吉なり。
子に語れば惟れ孝、臣に語れば則ち忠。深きを鈎り微を闡[ひら]きて、日の中するが如し。
爰に末流に曁[およ]んで、術數に淫す。僂句欺を成し、黄裳も亦誤る。
大なるかな孔子、晩に是の書を好む。韋編旣に絶え、八索以て祛[はら]う。
乃ち彖象、十翼の篇を作る。專ら義理を用て、經言を發揮せり。
居るに象辭を省み、動くに變占を察す。存亡進退、陟降飛潛。
毫と曰い釐と曰い、差に匪ず繆に匪ず。我に數年を假し、大なる咎无からんことを庶えり。
恭しく惟みれば三古、四聖一心。象を埀れて炳明、千載是れ臨めり。
惟是れ學者、其の初に本づかず。文辭象數、或は肆にし或は拘わる。
嗟予小子、旣に微に且つ陋し。鑽仰して身を沒するも、奚んぞ測り奚んぞ究めん。
警むるに匪ざれば滋々荒[すさ]み、識すに匪ざれば滋々漏る。維れ用て疑を存す。敢えて後に埀ると曰んや。

明 筮
倚數之元、參天兩地。衍而極之、五十乃備。
是曰大衍、虛一无爲。其爲用者、四十九蓍。
信手平分、置右於几。取右一蓍、掛左小指。
乃以右手、揲左之策。四四之餘、歸之于扐。
初扐左手、无名指閒。右策左揲、將指是安。
再扐之奇、通掛之算。不五則九、是謂一變。
置此掛扐、再用存策。分掛揲歸、復準前式。
三亦如之、奇皆四八。三變旣備、數斯可察。
數之可察、其辨伊何。四五爲少、八九爲多。
三少爲九、是曰老陽。三多爲六、老陰是當。
一少兩多、少陽之七。孰八少陰、少兩多一。
旣得初爻、復合前蓍。四十有九、如前之爲。
三變一爻、通十八變。六爻發揮、卦體可見。
老極而變、少守其常。六爻皆守、彖辭是當。
變視其爻、兩兼首尾。變及三爻、占兩卦體。
或四或五、視彼所存。四二五一、二分一專。
皆變而他、新成舊毀。消息盈虛、舍此視彼。
乾占用九、坤占用六。泰愕匪人、姤喜來復。
【読み】
數を倚するの元は、天を參にし地を兩にす。衍べて之を極め、五十乃ち備わる。
是を大衍と曰い、一を虛しくして爲すこと无し。其の用を爲す者、四十九蓍。
手に信ばせ平分し、右を几に置く。右の一蓍を取りて、左の小指に掛く。
乃ち右の手を以て、左の策を揲うる。四四の餘り、之を扐に歸す。
初は左の手、无名の指の閒に扐む。右の策は左にて揲え、將指に是れ安んず。
再扐の奇、通掛之を算ず。五つならざれば則ち九つ、是を一變と謂う。
此の掛扐を置いて、再び存策を用ゆ。分掛揲歸、復前式に準う。
三たび亦之の如くし、奇は皆四・八なり。三變旣に備わりて、數斯に察す可し。
數の察す可き、其の辨伊何。四・五を少と爲し、八・九を多と爲す。
三少を九と爲し、是を老陽と曰う。三多を六と爲し、老陰是れ當たる。
一少兩多は、少陽の七なり。孰か八の少陰なる、少兩つ多一つなり。
旣に初爻を得て、復前蓍を合す。四十有九、前の爲[しわざ]の如し。
三變一爻、通じて十八變。六爻發揮して、卦體見る可し。
老は極まりて變じ、少は其の常を守る。六爻皆守れば、彖辭是れ當たる。
變ずれば其の爻を視て、兩つなれば首尾を兼ぬ。變じて三爻に及べば、兩卦の體を占う。
或は四つ或は五つなれば、彼の存する所を視る。四つなれば二つ、五つなれば一つ、二つは分かれ一つは專らなり。
皆變じて他なれば、新成り舊毀る。消息盈虛、此を舍て彼を視る。
乾は用九を占い、坤は用六を占う。泰は人に匪ざるに愕き、姤は來り復るを喜ぶ。

稽 類
八卦之象、說卦詳焉。考之於經、其用弗專。
彖以情言、象以像告。唯是之求、斯得其要。
乾健天行、坤順地從。震動爲雷、巽入木風。
坎險水泉、亦雲亦雨。離麗文明、電日而火。
艮止爲山、兌說爲澤。以是擧之、其要斯得。
凡卦六虛、奇耦殊位。奇陽耦陰、各以其類。
得位爲正、二五爲中。二臣五君、初始上終。
貞悔體分、爻以位應。陰陽相求、乃得其正。
凡陽斯淑、君子居之。凡陰斯慝、小人是爲。
常可類求、變非例測。非常曷變、謹此爲則。
【読み】
八卦の象、說卦詳らかなり。之を經に考うるに、其の用專らならず。
彖は情を以て言い、象は像を以て告げり。唯是れ之れ求めて、斯に其の要を得。
乾は健に、天の行なり、坤は順う、地の從なり。震は動く、雷と爲す、巽は入る、木なり風なり。
坎は險み、水と泉と、亦雲亦雨なり。離は麗く、文明、電日にして火なり。
艮は止まる、山と爲す、兌は說ぶ、澤と爲す。是を以て之を擧げ、其の要斯に得。
凡そ卦の六虛、奇耦位を殊にす。奇は陽、耦は陰、各々其の類を以てす。
位を得るを正と爲し、二・五を中と爲す。二は臣、五は君、初は始め、上は終わり。
貞悔體分かれ、爻位を以て應ず。陰陽相求めて、乃ち其の正を得たり。
凡そ陽は斯れ淑、君子之に居る。凡そ陰は斯れ慝、小人是れ爲す。
常は類し求む可く、變は例し測るに非ず。常に非ずんば曷ぞ變ぜん、此を謹みて則と爲す。

警 學
讀易之法、先正其心。肅容端席、有翼其臨。
于卦于爻、如筮斯得。假彼象辭、爲我儀則。
字從其訓、句逆其情。事因其理、意適其平。
曰否曰臧、如目斯見。曰止曰行、如足斯踐。
毋寬以畧、毋密以窮。毋固而可、毋必而通。
平易從容、自表而裏。及其貫之、萬事一理。
理定旣實、事來尙虛。用應始有、體該本无。
稽實待虛、存體應用。執古御今、由靜制動。
潔靜精微、是之謂易。體之在我、動有常吉。
在昔程氏、繼周紹孔。奥指宏綱、星陳極拱。
唯斯未啓、以俟後人。小子狂簡、敢述而申。
【読み】
易を讀む法は、先ず其の心を正しくす。容を肅して席を端し、翼たること有りて其れ臨む。
卦に于て爻に于て、筮して斯に得るが如くす。彼の象辭を假りて、我が儀則と爲す。
字は其の訓に從い、句は其の情を逆う。事は其の理に因り、意は其の平に適う。
否と曰い臧と曰い、目斯に見るが如し。止と曰い行と曰い、足斯に踐むが如し。
寬にして以て畧すること毋かれ、密にして以て窮すること毋かれ。固毋くして可に、必毋くして通ず。
平易從容として、表よりして裏。其の之を貫くに及んでは、萬事一理なり。
理定まりて旣に實、事來ること尙虛なり。用應じて始めて有り、體該[か]ねて本无し。
實を稽え虛を待ち、體を存し用に應ず。古を執りて今を御し、靜なるに由りて動くことを制す。
潔靜精微、是れ之を易と謂う。之を體して我に在れば、動くこと常有りて吉なり。
在昔程氏、周に繼ぎ孔に紹ぐ。奥指宏綱、星陳べ極に拱[むか]う。
唯斯れ未だ啓かずして、以て後人を俟てり。小子狂簡、敢えて述べて申す。