二程全書卷之三十四  外書第六

羅氏本拾遺

凡看書、各有門庭。詩・易・春秋不可逐句看、尙書・論語可以逐句看。
【読み】
凡そ書を看るには、各々門庭有り。詩・易・春秋は句を逐って看る可からず、尙書・論語は以て句を逐って看る可し。

赤舄几几、只是形容周公一箇氣象。乃孟子所謂睟面盎背、四體不言而喩之意。雍雍在宮、肅肅在廟、亦只是形容文王氣象。大抵古人形容聖人、多此類。如倬彼雲漢、爲章于天、亦是形容聖人也。
【読み】
赤舄几几たりとは、只是れ周公一箇の氣象を形容す。乃ち孟子の所謂面に睟[うるお]い背に盎[あふ]れ、四體言わずして喩るの意なり。雍雍として宮に在り、肅肅として廟に在りとは、亦只是れ文王の氣象を形容す。大抵古人聖人を形容すること、此の類多し。倬たる彼の雲漢、章を天に爲すというが如きも、亦是れ聖人を形容するなり。

不識不知、言文王化其民、日用不知。皆由天理也。
【読み】
識らず知らずとは、文王其の民を化して、日々に用いて知らざるを言う。皆天理に由るなり。

與子遊聞之、當作於子遊聞之。若兩人同聞、安得一箇知、一箇不知。
【読み】
子遊と與に之を聞くは、當に子遊に之を聞くに作るべし。若し兩人同じく聞かば、安んぞ一箇知り、一箇知らざることを得ん。

利字不聯牝馬爲義。如云利牝馬之貞、則坤便只有三德。
【読み】
利の字は牝馬に聯[つら]ねざるを義とす。如し牝馬の貞に利ろしと云わば、則ち坤は便ち只三德有るなり。

陰必從陽、然後乃終有慶也。
【読み】
陰は必ず陽に從って、然して後乃ち終に慶び有り。

黃、中色。裳、宜在下。則元吉。
【読み】
黃は、中の色。裳は、宜しく下に在るべし。則ち元吉なり。

他卦皆有悔凶咎、惟謙未嘗有。他卦有待而亨。惟謙則便亨。
【読み】
他の卦皆悔凶咎有って、惟謙のみ未だ嘗て有らず。他の卦は待って亨ること有り。惟謙は則ち便ち亨る。

謙、君子所以有終。故不言吉。裒取其多而增益其寡、天理也。六二鳴謙、處中得正而有德者。故鳴謙者、乃中心得也。上六鳴謙、乃有求者也。有求之小、止於征國邑而已。故曰志未得也。
【読み】
謙は、君子終わり有る所以。故に吉を言わず。其の多きを裒[あつ]め取って其の寡きを增し益すは、天理なり。六二の鳴謙は、中に處り正を得て德有る者なり。故に鳴謙する者は、乃ち中心得るなり。上六の鳴謙は、乃ち求むること有る者なり。求むること有るの小なるは、國邑を征するに止まるのみ。故に志未だ得ずと曰うなり。

蹇以反身修德。故往者在外也。在外必蹇。來者在内也。在内則有譽。無尤、來連、朋來、來碩、皆反身修德之謂也。蹇蹇、不暴進、内顧之象也。暴進出外則無事矣。連音平。連則無窮也。朋來則衆來。言朋來未免於有思也。至於來碩、則來處於大人之事也。故曰從貴。
【読み】
蹇[けん]は以て身に反して德を修む。故に往くという者は外に在るなり。外に在れば必ず蹇[なや]む。來るという者は内に在るなり。内に在れば則ち譽れ有り。尤無し、來れば連なる、朋來る、來れば碩[おお]いなりというは、皆身に反して德を修むるの謂なり。蹇蹇は、暴[にわか]に進まずして、内に顧みるの象なり。暴に進んで外に出るときは則ち事無し。連は音平。連は則ち窮まり無きなり。朋來るは則ち衆來るなり。朋來ると言うは未だ思うこと有ることを免れず。來れば碩いなりというに至って、則ち來りて大人の事に處するなり。故に貴きに從うと曰う。

闔闢便是易。一闔一闢謂之變。
【読み】
闔闢は便ち是れ易。一闔一闢之を變と謂う。

堯之親九族、以明俊德之人爲先。蓋有天下國家者、以知人爲難、以親賢爲急。
【読み】
堯の九族を親しむは、俊德を明らかにするの人を以て先とす。蓋し天下國家を有つ者は、人を知るを以て難しとし、賢を親しむを以て急とす。

善學者、要不爲文字所梏。故文義雖解錯、而道理可通行者不害也。
【読み】
善く學ぶ者は、文字の爲に梏せられざらんことを要す。故に文義解し錯ると雖も、而れども道理通じ行う可き者は害あらざるなり。

論語、曾子・有子弟子論譔。所以知者、唯曾子・有子不名。伊川。
【読み】
論語は、曾子・有子の弟子論譔[ろんせん]するならん。知る所以の者は、唯曾子・有子のみ名いわず。伊川。

學而時習之、鷹乃學習之義。子路有聞、未之能行、唯恐有聞。說在心、樂主發散在外。伊川。
【読み】
學んで時に之を習うは、鷹乃ち學び習うの義。子路聞くこと有りて、未だ之を能行わざれば、唯聞くこと有らんことを恐る。說ぶは心に在り、樂しむは發散して外に在ることを主とす。伊川。

孝弟本其所以生、乃爲仁之本。孝弟有不中理、或至於犯上。然亦鮮矣。孟子曰、孰不爲事。事親、事之本也。孰不爲守。守身、守之本也。不失其身而事親、乃誠孝也。推此、亦可以知爲仁之本。明道。
【読み】
孝弟其の生ずる所以に本づけば、乃ち仁をするの本なり。孝弟理に中らざること有れば、或は上を犯すに至る。然れども亦鮮し。孟子曰く、孰れか事うることをせざらん。親に事うるは、事うるの本なり。孰れか守ることをせざらん。身を守るは、守るの本なり、と。其の身を失わずして親に事うるは、乃ち誠に孝なり。此を推して、亦以て仁をするの本を知る可し。明道。

敬事而信以下事、論其所存。未及治具。故不及禮樂刑政。伊川。
【読み】
事を敬して信ありというより以下の事は、其の存する所を論ず。未だ治の具に及ばず。故に禮樂刑政に及ばず。伊川。

行有餘力者、當先立其本也。有本而後學文。然有本則文自至矣。明道。
【読み】
行って餘力有りという者は、當に先づ其の本を立つるべし。本有りて後文を學ぶ。然れども本有るときは則ち文自づから至るなり。明道。

致身猶言致力。乃委質也。明道。
【読み】
身を致すとは猶力を致すと言うがごとし。乃ち質に委るなり。明道。

人安重則學堅固。伊川。
【読み】
人安重なるときは則ち學堅固なり。伊川。

禮之用貴爲和貴。有不可行者、偏也。伊川。
【読み】
禮の用は和を貴しとす、と。行わる可からざること有る者は、偏なり。伊川。

貧而能樂、富而能好禮。隨貧富所治當如此。子貢引切磋琢磨、蓋治之之謂也。若貧而言好禮、則至於卑。富而言樂、則至於驕。然貧而樂、非好禮不能。富而好禮、非樂不能。明道。
【読み】
貧しくして能く樂しみ、富みて能く禮を好む。貧富に隨いて治むる所當に此の如くなるべし。子貢切磋琢磨を引くは、蓋し之を治むるの謂なり。若し貧しくして禮を好むと言うときは、則ち卑しきに至る。富みて樂しむと言うときは、則ち驕れるに至る。然るに貧しくして樂しむは、禮を好むに非ずんば能わず。富みて禮を好むは、樂しむに非ずんば能わず。明道。

爲政以德、然後無爲。伊川。
【読み】
政を爲むるに德を以てして、然して後すること無し。伊川。

囘於孔子之道無所不說。故如愚。退而省其所自得、亦足以開發矣。故曰不愚。
【読み】
囘は孔子の道に於て說ばざる所無し。故に愚なるが如し、と。退いて其の自得する所を省みるに、亦以て開發するに足れり。故に愚ならずと曰う。

視其所以、所爲也。觀其所由、所從也。察其所安、所處也。察其所處、則見其心之所存。在己者能知言窮理、則能以此察人如聖人也。明道。
【読み】
其の以[す]る所を視みるとは、する所なり。其の由る所を觀るとは、從う所なり。其の安んずる所を察すとは、處る所なり。其の處る所を察せば、則ち其の心の存する所を見る。己に在る者能く言を知り理を窮むるときは、則ち能く此を以て人を察すること聖人の如し。明道。

君子不器、無所不施也。若一才一藝、則器也。伊川。
【読み】
君子は器ならずとは、施さずという所無きなり。一才一藝の若きは、則ち器なり。伊川。

子貢問君子。孔子告以先行其言而後從之、而可以爲君子。因子貢多言而發也。伊川。
【読み】
子貢君子を問う。孔子告ぐるに先づ其の言うことを行って而して後に之に從う、而して以て君子とす可しということを以てす。子貢多言なるに因りて發するなり。伊川。

先行其言而後從之、謂觀人者彼能先行其言、吾然後信之。伊川。
【読み】
先づ其の言うことを行って而して後に之に從うとは、人を觀る者は彼能く先づ其の言うことを行って、吾れ然して後に之を信ずるを謂う。伊川。

周謂周旋、不比謂不相私比也。伊川。
【読み】
周は周旋を謂い、比せずは相私比せざるを謂うなり。伊川。

學而不思則無得。故罔。思而不學則不進。故殆。博學之、審問之、愼思之、明辯之、篤行之。五者廢其一、非學也。伊川。
【読み】
學んで思わざるときは則ち得ること無し。故に罔し。思って學ばざるときは則ち進まず。故に殆し。博く之を學び、審らかに之を問い、愼んで之を思い、明らかに之を辯[わきま]え、篤く之を行う。五つの者其の一を廢せば、學に非ざるなり。伊川。

尤、罪自外至也。悔、理自内出也。修天爵則人爵至、祿在其中矣。子張學干祿、故告之以此、使定其心而不爲利祿動。若顏・閔則不然矣。君子謀道不謀食、學也祿在其中矣。然學不必得祿、猶耕之不必得食、亦有餒在其中矣。君子知其如此、故憂道不憂貧。此所以告干祿也。伊川。
【読み】
尤は、罪の外自り至るなり。悔は、理の内自り出るなり。天爵を修むるときは則ち人爵至って、祿其の中に在り。子張祿を干[もと]めんことを學ぶ、故に之に告ぐるに此を以てして、其の心を定めて利祿の爲に動かざらしむ。顏・閔の若きは則ち然らず。君子は道を謀って食を謀らず、學ぶときは祿其の中に在り。然れども學んで必ずしも祿を得ざるは、猶耕すの必ずしも食を得ずして、亦餒ゆること其の中に在ること有るがごとし。君子は其の此の如きことを知る、故に道を憂えて貧しきを憂えず。此れ祿を干むるに告ぐる所以なり。伊川。

奢自文生。文過則爲奢、不足則爲儉。文者稱實而爲飾。文對實已爲兩物。奢又文之過。則去本遠矣。儉乃文不足。此所以爲禮之本。伊川。
【読み】
奢は文自り生ず。文過ぎるときは則ち奢と爲り、足らざるときは則ち儉と爲る。文は實にして飾ることを爲すと稱す。文實に對すれば已に兩物とす。奢は又文の過ぎたるなり。則ち本を去ること遠し。儉は乃ち文足らざるなり。此れ禮の本爲る所以なり。伊川。

仁者如射。射而不中、不怨勝己者、反求諸己而已。豈有爭也。故曰其爭也君子。伊川。
【読み】
仁者は射るが如し。射て中らざれども、己に勝つ者を怨みず、反って己に求むるのみ。豈爭うこと有らんや。故に其の爭は君子なりと曰う。伊川。

下而飮、非謂下堂而飮。離去射位而飮也。若下堂而飮、則辱之甚、無此。伊川。
【読み】
下って飮ましむとは、堂を下って而して飮むと謂うには非ず。射位を離れ去って飮むなり。若し堂を下って飮むときは、則ち辱めの甚だしきこと、此れ無し。伊川。

素喩質、繪喩禮。凡繪、先施素地而加采。如有美質而更文之以禮。伊川。
【読み】
素は質に喩え、繪は禮に喩う。凡そ繪は、先づ素地を施して采を加う。美質有りて更に之を文[かざ]るに禮を以てするが如し。伊川。

灌以降神、禘之始也。旣灌而往者、自始以至終、皆無足觀。言魯祭之非禮也。不知者、蓋爲魯諱。如自此事而正之、其於天下、如指掌之易。伊川。
【読み】
灌して以て神を降すは、禘の始めなり。旣に灌して往[のち]という者は、始め自り以て終わりに至るまで、皆觀るに足ること無し。魯の祭の禮に非ざることを言うなり。知らずという者は、蓋し魯の爲に諱むなり。如し此の事自りして之を正さば、其の天下に於ること、掌を指すの易きが如くならん。伊川。

爲力猶言爲功。射有五善、爲功不一。故曰不同科。所謂五善者、觀德行、別邪正、辯威儀云云。伊川。
【読み】
力を爲すとは猶功を爲すと言うがごとし。射に五つの善有って、功を爲すこと一ならず。故に科を同じくせずと曰う。所謂五つの善とは、德行を觀、邪正を別ち、威儀を辯ずと云云。伊川。

事君盡禮。在他人言之、必曰小人以爲諂也。聖人道弘。故止曰人以爲諂也。伊川。
【読み】
君に事うるに禮を盡くす、と。他人に在っては之を言わば、必ず小人以て諂えりとすと曰わん。聖人は道弘し。故に止人以て諂えりとすと曰うなり。伊川。

樂得淑女以配君子、不淫其色、是樂而不淫。哀窈窕、思賢才、求之不得、展轉反側、是哀而不傷。明道。
【読み】
淑女を得て以て君子に配することを樂しんで、其の色に淫せざるは、是れ樂しんで淫せざるなり。窈窕[ようちょう]として、賢才を思い、之を求めて得ざることを哀しんで、展轉し反側するは、是れ哀しんで傷らざるなり。明道。

成事不說至旣往不咎者、大概相似。重言之、所以深責之也。如今人嗟惜一事、未嘗不再三言之也。伊川。
【読み】
成りし事は說かじというより旣に往きしをば咎めずという者に至るまで、大概相似れり。重ねて之を言うは、深く之を責むる所以なり。今の人一事を嗟惜するが如き、未だ嘗て再三之を言わずんばあらず。伊川。

成湯放桀、惟有慙德、武王亦然。故未盡善。堯・舜・湯・武、其揆一也。征伐非其所欲、所遇之時然耳。伊川。
【読み】
成湯桀を放つは、惟德に慙づること有りて、武王も亦然り。故に未だ善を盡くさず。堯・舜・湯・武は、其の揆一なり。征伐は其の欲する所に非ず、遇う所の時然るのみ。伊川。

里、居也。擇仁而處之爲美。明道。
【読み】
里は、居るなり。仁を擇んで之に處るを美とす。明道。

知者利仁、知者以仁爲利而行之。至若欲有名而爲之之類、皆是以爲利也。
【読み】
知者は仁を利とすとは、知者は仁を以て利として之を行う。名有らんことを欲して之をするが類の若きに至っては、皆是れ以て利とするなり。

知者知仁爲美、擇而行之。是利仁也。心有其仁。故曰利。伊川。
【読み】
知者は仁を美とすることを知って、擇んで之を行う。是れ仁を利とするなり。心に其の仁有り。故に利すと曰う。伊川。

君子懷德、惟善之所在。小人懷土、惟事之所在。君子懷刑、惟法之所在。小人懷惠、惟利之所在。伊川。
【読み】
君子德を懷[おも]うは、惟善の在る所。小人土を懷うは、惟事の在る所。君子刑を懷うは、惟法の在る所。小人惠を懷うは、惟利の在る所。伊川。

子貢問賜也何如、賜自矜其長。而孔子以瑚璉之器答者、但瑚璉可施禮容於宗廟。如子貢之才可使於四方、可使與賓客言而已。伊川。
【読み】
子貢賜は何如と問うは、賜は自ら其の長を矜[ほこ]るなり。而るに孔子瑚璉の器を以て答うる者は、但瑚璉は禮容を宗廟に施す可し。子貢の才は四方に使いす可く、賓客と言わしむ可きが如きのみ。伊川。

未能自信、不可以治人、孔子所以說漆雕開之對。明道。
【読み】
未だ自ら信ずること能わざれば、以て人を治むる可からずとは、孔子漆雕開の對えを說く所以なり。明道。

子貢常方人。故孔子答以不暇。而又問與囘也孰愈、所以抑其方人也。
【読み】
子貢常に人を方[くら]ぶ。故に孔子答うるに暇あらずというを以てす。而して又囘と孰れか愈[まさ]れると問うは、其の人を方ぶることを抑える所以なり。

聞一知十、聞一知二、舉多少而言也。曰吾與女弗如也、使子貢喩其言、知其在勉。不喩、則亦可使慕之。皆有敎也。
【読み】
一を聞いて十を知る、一を聞いて二を知るは、多少を舉げて言うなり。吾れ女が如かざるとすることを與[ゆる]すと曰うは、子貢をして其の言を喩って、其の勉むるに在ることを知らしむ。喩らずとも、則ち亦之を慕わしむ可し。皆敎うること有るなり。

不欲人之加諸我者、施諸己而不願者也。無加諸人者、己所不欲、勿施於人者也。此無伐善、勿施勞者能之。故非子貢所及。伊川。
【読み】
人の諸を我に加うることを欲せざる者は、諸を己に施して願わざる者なり。諸を人に加うること無き者は、己が欲せざる所を、人に施すこと勿き者なり。此れ善に伐[ほこ]ること無く、勞を施すこと勿き者之を能くす。故に子貢の及ぶ所に非ず。伊川。

夫子言性與天道、不可得而聞、唯子貢親達其理。故能爲是歎美之辭。言衆人不得聞也。伊川。
【読み】
夫子の性と天道とを言うは、得て聞く可からず、唯子貢のみ親しく其の理に達す。故に能く是の歎美の辭を爲す。衆人聞くことを得ざることを言うなり。伊川。

蔡與采同。大夫有采地、而爲山節藻梲之事、不知也。山節藻梲、諸侯之事也。伊川。
【読み】
蔡と采とは同じ。大夫采地有って、節[とがた]に山[やま]えり梲[うだち]に藻[も]がく事を爲すは、知らざるなり。節に山えり梲に藻がくは、諸侯の事なり。伊川。

三月不違仁、言其久也。然非成德之事。
【読み】
三月仁に違わずとは、其の久しきを言うなり。然れども成德の事には非ず。

祝鮀之佞、所謂巧言。宋朝之美、所謂令色。當衰世、非此難免。伊川。
【読み】
祝鮀の佞は、所謂言を巧みにするなり。宋朝の美は、所謂色を令するなり。衰世に當たっては、此に非ざれば免れ難し。伊川。

上知、高遠之事、非中人以下所可告。蓋踰涯分也。伊川。
【読み】
上知は、高遠の事、中人以下の告ぐる可き所に非ず。蓋し涯分に踰ゆるなり。伊川。

民之所宜者務之、所欲與之聚、所惡勿施爾也。人之所以近鬼神而褻之者、蓋惑也。故有非鬼而祭之、淫祀以求福。知者則敬而遠之。明道。
【読み】
民の宜しき所の者は之を務め、欲する所は之を與え聚め、惡む所は施すこと勿きのみ。人の鬼神に近づいて之に褻[けが]るる所以の者は、蓋し惑えるなり。故に鬼に非ずして之を祭り、淫祀して以て福を求むること有り。知者は則ち敬して之を遠ざく。明道。

知如水之流、仁如山之安。動靜、仁知之體也。動則自樂、靜則自壽。非體仁知之深者、不能如此形容之。伊川。
【読み】
知は水の流るるが如く、仁は山の安きが如し。動靜は、仁知の體なり。動くときは則ち自ら樂しみ、靜かなるときは則ち自ら壽し。仁知を體するの深き者に非ずんば、此の如く之を形容すること能わず。伊川。

觚之爲器、不得其法制、則非觚矣。舉一器而天下之物莫不皆然。天下之事亦猶是也。伊川。
【読み】
觚[こ]の器爲る、其の法制を得ざるときは、則ち觚に非ず、と。一器を舉げて天下の物皆然らずということ莫し。天下の事も亦猶是のごとし。伊川。

宰我言、如井中有人、仁者當下而從之否。子曰、君子可使之往。不可陷以非其所履。可欺以其方。難罔以非其道。明道。
【読み】
宰我言く、如し井中に人有らば、仁者當に下って之に從うべきや否や、と。子曰く、君子は之をして往かしむ可し。陷[おとしい]らしむに其の履む所に非ざるを以てす可からず。欺くに其の方を以てす可し。罔[し]ゆるに其の道に非ざるを以てし難し、と。明道。

博學於文、而不約之以禮、必至於汙漫。所謂約之以禮者、能守禮而由於規矩者也。未及知之也、止可以不畔而已。多聞擇其善者而從之、多見而識之、知之次也。與此相近。顏淵曰、博我以文、約我以禮。欲罷不能。是已知之而進不止者也。明道。
【読み】
博く文を學んで、之を約にするに禮を以てせざれば、必ず汙漫に至る。所謂之を約にするに禮を以てする者は、能く禮を守って規矩に由る者なり。未だ之を知るに及ばず、止以て畔かざる可きのみ。多く聞いて其の善者を擇んで之に從い、多く見て之を識すは、知るの次なり、と。此と相近し。顏淵曰く、我を博むるに文を以てし、我を約にするに禮を以てす。罷めんと欲すれども能わず、と。是れ已に之を知って進んで止まざる者なり。明道。

中庸之德、不可須臾離。民鮮有久行其道者也。伊川。
【読み】
中庸の德は、須臾も離るる可からず。民久しく其の道を行う者有ること鮮し。伊川。

聖則無大小、至於仁、兼上下大小而言之。博施濟衆亦仁也、愛人亦仁也。堯・舜其猶病諸者、猶難之也。博則廣而無極、衆則多而無窮。聖人必欲使天下無一人之惡、無一物不得其所。然亦不能。故曰病諸。修己以安百姓、亦猶是也。伊川。
【読み】
聖は則ち大小と無く、仁に至るとは於、上下大小を兼ねて之を言う。博く施して衆を濟うも亦仁なり、人を愛するも亦仁なり。堯・舜も其れ猶病めりとは、猶之を難んずるなり。博は則ち廣くして極まり無く、衆は則ち多くして窮まり無し。聖人は必ず天下をして一人の惡無く、一物も其の所を得ずということ無からしめんと欲す。然れども亦能わず。故に病めりと曰う。己を修めて以て百姓を安んずというも、亦猶是のごとし。伊川。

人於文采、皆不曰吾猶人也、皆曰勝於人爾。至於躬行君子、則吾未見其人也。伊川。
【読み】
人文采に於ては、皆吾れ猶人のごとしと曰わず、皆人に勝れりと曰うのみ。躬君子を行うに至っては、則ち吾れ未だ其の人を見ず。伊川。

泰伯知王季之賢、必能開基成王業。故爲天下而三讓之。言其公也。明道。
【読み】
泰伯王季の賢、必ず能く基を開き王業を成さんことを知る。故に天下の爲にして三たび之を讓る。言うこころは、其れ公なり、と。明道。

泰伯三以天下讓者、立文王則道被天下。故泰伯以天下之故而讓之也。不必革命。使紂賢、文王爲三公矣。伊川。
【読み】
泰伯三たび天下を以て讓る者は、文王を立つるときは則ち道天下に被らしむ。故に泰伯天下の故を以てして之を讓るなり。必ずしも命を革めず。紂をして賢ならしめば、文王は三公と爲らん。伊川。

凡人有所計校者、皆私意也。孟子曰、惟仁者爲能以大事小。仁者欲人之善而矜人之惡、不計校小大強弱而事之。故能保天下。犯而不校、亦樂天順理者也。伊川。
【読み】
凡そ人計校する所有る者は、皆私意なり。孟子曰く、惟仁者のみ能く大を以て小に事うることを爲す、と。仁者は人の善を欲して人の惡を矜[あわ]れみ、小大強弱を計校せずして之に事う。故に能く天下を保んず。犯せども而も校[はか]らざるは、亦天を樂しみ理に順う者なり。伊川。

人而不仁、君子當敎養之。不盡敎養、而惟疾之甚、必至於亂。明道。
【読み】
人として仁ならずんば、君子當に之を敎養すべし。敎養することを盡くさずして、惟之を疾むこと甚だしきは、必ず亂に至る。明道。

爲學三年、而不至於善、是不善學也。明道。
【読み】
學を爲すこと三年にして、善に至らざるは、是れ善く學ばざるなり。明道。

亂、治也。師摯始治關雎之樂。其聲洋洋乎盈耳哉。美之也。明道。
【読み】
亂は、治むるなり。師摯[しし]始めて關雎の樂を治む。其の聲洋洋乎として耳に盈つるかな、と。之を美むるなり。明道。

洋洋盈耳、美也。孔子反魯、樂正、雅・頌各得其所。其後自太師而下、入河蹈海。由樂正、魯不用、而放棄之也。伊川。
【読み】
洋洋として耳に盈つるは、美むるなり。孔子魯に反って、樂正しく、雅・頌各々其の所を得。其の後太師自りして下、河に入り海を蹈む。樂正に由って、魯用いずして、之を放ち棄つるなり。伊川。

禹、吾無閒然矣、言德純完、無可非閒。明道。
【読み】
禹は、吾れ閒然すること無きとは、德純ら完く、非閒す可きこと無きを言う。明道。

子罕言利、非使人去利而就害也。蓋人不當以利爲心。易曰、利者義之和。以義而致利斯可矣。罕言仁者、以其道大故也。論語一部、言仁豈少哉。蓋仁者大事、門人一一紀錄盡平生所言如此。亦不爲多也。伊川。
【読み】
子罕に利を言うは、人をして利を去って害に就かしむるに非ざるなり。蓋し人當に利を以て心とすべからざるなり。易に曰く、利は義の和なり、と。義を以て利を致さば斯れ可なり。罕に仁を言う者は、其の道大なるを以ての故なり。論語の一部、仁を言うこと豈少なからんや。蓋し仁は大事、門人一一平生言う所を紀錄し盡くすこと此の如し。亦多しとせざるなり。伊川。

吾有知乎哉。無知也者、盡以告人、他無知也。與吾無隱乎爾同。伊川。
【読み】
吾れ知ること有らんや。知ること無きなりとは、盡く以て人に告げて、他知ること無きなり。吾れ爾に隱すこと無しというと同じ。伊川。

叩、就也。兩端、猶言兩頭。謂始終告鄙夫也。伊川。
【読み】
叩は、就くなり。兩端は、猶兩頭と言うがごとし。始終鄙夫に告ぐるを謂うなり。伊川。

鳳鳥不至、河不出圖、吾已矣夫者、嗜欲將至、有開必先也。伊川。
【読み】
鳳鳥至らず、河圖を出さず、吾れ已んぬるかなというは、嗜欲將至らば、開くこと有って必ず先んぜんとなり。伊川。

可與共學、所以求之也。可與適道、知其所往也。可與立者、篤志固執而不變也。權與權衡之權同。稱物而知其輕重者也。人無權衡、則不能知輕重。聖人則不以權衡而知輕重矣。聖人則是權衡也。伊川。
【読み】
與に共に學ぶ可しとは、之を求むる所以なり。與に道に適く可しとは、其の往く所を知るなり。與に立つ可しという者は、篤く志し固く執って變ぜざるなり。權は權衡の權と同じ。物を稱って其の輕重を知る者なり。人權衡無きときは、則ち輕重を知ること能わず。聖人は則ち權衡を以てせずして輕重を知る。聖人は則ち是れ權衡なり。伊川。

寢食不當言語時、必齊如也。臨祭則敬也。明道。
【読み】
寢食は言語の時に當たらず、必ず齊如たり。祭に臨むときは則ち敬す。明道。

色斯舉矣、不至悔吝。翔而後集、審擇其處。明道。
【読み】
色のままに斯に舉がるとは、悔吝に至らざるなり。翔[ふるま]って後に集[い]るは、審らかに其の處を擇ぶなり。明道。

山梁雌雉得其時、遂其性、而人逢亂世、反不得其所。子路不達。故共具之。孔子俾子路復審言詳意。故三嗅而起。庶子路知之也。伊川。
【読み】
山梁の雌雉は其の時を得て、其の性を遂ぐれども、人亂世に逢って、反って其の所を得ず。子路達せず。故に之を共具す。孔子子路をして復言を審らかにし意を詳らかにせしむ。故に三たび嗅いで起つ。庶わくは子路之を知らんことを、と。伊川。

先進猶言前輩也。後進猶言後輩也。先進之於禮樂、有其誠意而質也。故曰野人。後進之於禮樂、習其容止而文者也。故曰君子。孔子患時之文弊、而欲救之以質。故曰如用之、則吾從先進。取其誠意之多也。明道。
【読み】
先進は猶前輩と言うがごとし。後進は猶後輩と言うがごとし。先進の禮樂に於るは、其の誠意有って質なり。故に野人と曰う。後進の禮樂に於るは、其の容止に習って文なる者なり。故に君子と曰う。孔子時の文の弊を患えて、之を救うに質を以てせんと欲す。故に如し之を用いば、則ち吾れ先進に從わんと曰う。其の誠意の多きを取るなり。明道。

先進於禮樂、野人也、謂其質朴。後進於禮樂、君子也、謂其得宜。周末文弊、當時之人自謂得宜、而以古人爲質朴。故孔子欲從古人。古人非質朴也。伊川。
【読み】
先進の禮樂に於るは、野人なりとは、其の質朴なるを謂う。後進の禮樂に於るは、君子なりとは、其の宜しきを得るを謂う。周の末文の弊ありて、當時の人自ら宜しきを得ると謂いて、古人を以て質朴とす。故に孔子古人に從わんと欲す。古人は質朴に非ず。伊川。

從我於陳・蔡者、皆不及門、言此時皆無及孔子之門者。思其人、故數顏子以下十人有德行者、政事者、言語者、文學者。皆從於陳・蔡者也。明道。
【読み】
我に陳・蔡に從う者は、皆門に及ばずとは、言うこころは、此の時皆孔子の門に及ぶ者無し、と。其の人を思う、故に顏子以下の十人德行有る者、政事の者、言語の者、文學の者を數う。皆陳・蔡に從える者なり。明道。

四科、乃從夫子於陳・蔡者爾。門人之賢者、固不止此。曾子傳道而不與焉。故知十哲、世俗之論也。明道。
【読み】
四科は、乃ち夫子に陳・蔡に從える者のみ。門人の賢者は、固に此に止まらず。曾子道を傳えて與らず。故に知る、十哲は、世俗の論なることを。明道。

閔子之於父母昆弟、盡其道而處之。故人無非閒之言。伊川。
【読み】
閔子の父母昆弟に於る、其の道を盡くして之に處す。故に人非閒の言無し。伊川。

過猶不及。如琴張・曾皙之狂、皆過也。然而行不掩焉。是無實也。明道。
【読み】
過ぎたるは猶及ばざるがごとし、と。琴張・曾皙の狂の如きは、皆過ぎたるなり。然して行うこと掩わず。是れ實無きなり。明道。

才高者過。過則一出一入。卑者不及、則怠惰廢弛。明道。
【読み】
才高き者は過ぐ。過ぐるときは則ち一たびは出一たびは入る。卑き者及ばざるときは、則ち怠惰廢弛す。明道。

師・商過不及、其弊爲楊・墨。楊出於義、墨出於仁。仁義雖天下之美、然如此者、失之毫釐、謬以千里。伊川。
【読み】
師・商の過不及、其の弊は楊・墨を爲す。楊は義に出、墨は仁に出づ。仁義は天下の美と雖も、然れども此の如くなる者は、之を毫釐に失すれば、謬るに千里を以てするなり。伊川。

曾子少孔子。始也魯。觀其後明道、豈魯也哉。明道。
【読み】
曾子は孔子より少[わか]し。始めは魯なりとす。其の後道を明らかにするを觀るに、豈魯ならんや。明道。

善人、非豪傑特立之士不能自達者也。苟不履聖賢之迹、則亦不入其奧。故爲邦必至於百年、乃可以勝殘去殺也。孟子以樂正子爲善人信人。有諸己之謂信。能充實之、可以至於聖賢。然其始必循轍迹而後能入也。論篤、言之篤厚者也。取於人者、惟言之篤厚者是與、君子者乎、色莊者乎、未可知也。不可以論篤遂與之。必觀其行事乃可也。明道。
【読み】
善人は、豪傑特立の士に非ずんば自ら達すること能わざる者なり。苟も聖賢の迹を履まずんば、則ち亦其の奧に入らず。故に邦を爲むること必ず百年に至って、乃ち以て殘を勝[つ]くし殺を去[す]つ可し。孟子樂正子を以て善人信人とす。己に有する之を信と謂う。能く之を充實せば、以て聖賢に至る可し。然れども其の始めは必ず轍迹に循って而して後に能く入るなり。論篤きは、言の篤厚なる者なり。人に取る者、惟言の篤厚なる者に是れ與せば、君子者ならんか、色莊者ならんか、未だ知る可からず。論篤きを以て遂に之に與する可からず。必ず其の行事を觀て乃ち可なり。明道。

一日克己復禮、天下歸仁者、言一旦能克己復禮、則天下稱其仁。非一日之閒也。伊川。
【読み】
一日も己に克ちて禮に復るときは、天下仁に歸すとは、一旦能く己に克ちて禮に復るときは、則ち天下其の仁を稱するを言う。一日の閒には非ざるなり。伊川。

子路之言信、故片言可以折獄。伊川。
【読み】
子路の言信あり、故に片言以て獄[うったえ]を折[さだ]む可し。伊川。

宿謂預也。非一宿之宿也。伊川。
【読み】
宿は預めを謂うなり。一宿の宿に非ず。伊川。

子張少仁、無誠心愛民、則必倦而不盡心者也。故孔子因問而告之。伊川。
【読み】
子張仁少なく、誠心無くして民を愛するときは、則ち必ず倦んで心を盡くさざる者なり。故に孔子問えるに因りて之を告ぐ。伊川。

先之勞之者、昔周公師保萬民。易曰、以左右民。師保左右、先之也。勞、勉也。又勞勉之。伊川。
【読み】
之を先んじ之を勞すという者は、昔周公萬民に師保たり。易に曰く、以て民を左右[たす]くと。師保として左右くるは、之を先んずるなり。勞は、勉むるなり。又勞して之を勉むるなり。伊川。

子路問政。孔子旣告之矣。及請益、則曰無倦而已。未嘗復有所告。姑使深思之也。明道。
【読み】
子路政を問う。孔子旣に之に告ぐ。益を請うに及んでは、則ち倦むこと無かれと曰うのみ。未だ嘗て復告ぐる所有らず。姑く深く之を思わしむるなり。明道。

凡有物有形則有名。有名則有理。如以大爲小、以高爲下、則言不順。至於民無所措手足也。伊川。
【読み】
凡そ物有り形有れば則ち名有り。名有れば則ち理有り。如し大を以て小とし、高きを以て下きとするときは、則ち言順ならず。民手足を措所無きに至る。伊川。

苟有用我者、期月而已可也。三年有成、如何。曰、昔在經筵時嘗說。因言、陛下若以期月之事問臣、臣便以期月之事對。若以三年之事問臣、臣便以三年之事對。期月而已者、整頓大綱也。若夫有成、則在三年也。然期月三年之說、今世又不同。須從頭整理可也。漢公孫弘言、三年而化、臣竊遲之。李石對唐文宗以謂、陛下責治太急。皆率爾之言、本不知期月三年之事。伊川。
【読み】
苟[も]し我を用いる者有らば、期月にして已に可ならん。三年にして成すこと有らんとは、如何、と。曰く、昔經筵に在る時嘗て說く。因りて言う、陛下若し期月の事を以て臣に問わば、臣便ち期月の事を以て對えん。若し三年の事を以て臣に問わば、臣便ち三年の事を以て對えん、と。期月にして已にとは、大綱を整頓するなり。夫の成すこと有るが若きは、則ち三年に在るなり。然れども期月三年の說は、今世又同じからず。須く頭從り整理して可なるべし。漢の公孫弘が言く、三年にして化すること、臣竊かに之を遲しとす、と。李石唐の文宗に對えて以謂えらく、陛下治を責むること太だ急なり、と。皆率爾の言、本期月三年の事を知らず、と。伊川。

三十年爲一世。三十壯有室也。必世而後仁、化浹也。伊川。
【読み】
三十年を一世とす。三十は壯にして室有り。必世にして後に仁なるは、化浹[あまね]きなり。伊川。

冉子謂季氏之所行爲政。孔子抑之曰、其事也。言季氏之家事、而已謂之政者僭也。如國有政、吾雖不用、猶當與聞之也。伊川。
【読み】
冉子季氏の行う所を謂いて政とす。孔子之を抑えて曰く、其れ事ならん、と。言うこころは、季氏の家事にして、已に之を政と謂う者は僭なり。如し國政有らば、吾れ用いられずと雖も、猶當に之を聞くに與るべし、と。伊川。

言不必信、行不必果、唯義所在、大人之事。言必信、行必果、硜硜然、小人之事。小人對大人爲小。非爲惡之小人也。故亦可以爲士。明道。
【読み】
言信を必とせず、行果たすことを必とせず、唯義の在る所にするは、大人の事。言信を必とし、行果たすことを必とするは、硜硜[こうこう]然たる、小人の事。小人は大人に對して小とす。惡を小人とするには非ず。故に亦以て士爲る可し、と。明道。

剛者堅之體、發而有勇曰毅。木者質朴、訥者遲鈍。此四者比之巧言令色則近於仁。亦猶不得中行而與狂狷也。伊川。
【読み】
剛は堅の體、發して勇有るを毅と曰う。木は質朴、訥は遲鈍。此の四つの者之を巧言令色に比すれば則ち仁に近しとす。亦猶中行を得ずして狂狷に與するがごとし。伊川。

切切如體之相磨。偲偲則以意。此言告子路。故曰切切偲偲怡怡如也。明道。
【読み】
切切は體の相磨するが如し。偲偲は則ち意を以てす。此の言子路に告ぐ。故に切切偲偲怡怡如たるなりと曰う。明道。

善人敎民七年、亦可以卽戎、聖人度其時可矣。如小國五年、大國七年云。伊川。
【読み】
善人民に敎うること七年にして、亦以て戎に卽く可しとは、聖人其の時の可なることを度るなり。小國は五年、大國は七年と云うが如し。伊川。

原憲、孔子高弟。問有所未盡。蓋克伐怨欲四者無、然後可以爲仁。有而不行、未至於無。故止告之以爲難。伊川。
【読み】
原憲は、孔子の高弟。問うこと未だ盡くさざる所有り。蓋し克伐怨欲の四つの者無くして、然して後に以て仁とす可しとす。有って行わざるは、未だ無きに至らず。故に止之に告ぐるに難しとするを以てす。伊川。

邦有道穀、邦無道穀、恥也、此汎舉也。直哉史魚、不若君子哉蘧伯玉。然則危言危行、危行言遜、乃孔子事也。危猶獨也。與衆異不安之謂。邦無道、行雖危而言不可不遜也。明道。
【読み】
邦道有るときも穀し、邦道無きときも穀するは、恥なりとは、此れ汎く舉ぐるなり。直なるかな史魚とは、君子なるかな蘧伯玉[きょはくぎょく]というに若かず。然らば則ち言を危くし行いを危くし、行いを危くし言遜うは、乃ち孔子の事なり。危は猶獨のごとし。衆と異にして安からざるの謂なり。邦道無きときは、行うこと危くすと雖も言遜わずんばある可からず。明道。

直哉史魚、不若君子哉蘧伯玉。卷而懷之、乃危行言遜也。危行者、嚴厲其行而不苟。言則當遜。伊川。
【読み】
直なるかな史魚とは、君子なるかな蘧伯玉というに若かず。卷[おさ]めて之を懷[かく]すは、乃ち行いを危くし言遜うなり。行いを危くすとは、其の行いを嚴厲にして苟もせざるなり。言は則ち當に遜うべし。伊川。

晉文公譎而不正、齊桓公正而不譎、此爲作春秋而言也。晉文公實有勤王之心、而不知召王之爲不順。故譎掩其正。齊桓公伐楚、責包茅。雖其心未必尊王、而其事則正。故正掩其譎。孔子言之以爲戒。正者正行其事耳。非大正也。亦猶管仲之仁、止以事功而言也。伊川。
【読み】
晉の文公は譎[いつわ]って正しからず、齊の桓公は正しくして譎らずとは、此れ春秋を作るが爲にして言うなり。晉の文公實に王を勤むるの心有れども、而れども王を召すの不順爲ることを知らず。故に譎り其の正しきを掩う。齊の桓公楚を伐つとき、包茅を責む。其の心未だ必ずしも王を尊ばずと雖も、而れども其の事は則ち正し。故に正しき其の譎るを掩う。孔子之を言って以て戒めとす。正は正しく其の事を行うのみ。大正には非ず。亦猶管仲が仁のごとき、止事功を以て言うのみ。伊川。

桓公殺公子糾、管仲不死而從之。殺兄之人、固可從乎。曰、桓公・子糾、襄公之二弟也。桓公兄而子糾弟也。襄公死、則桓公當立。此以春秋知之也。春秋書桓公、則曰齊小白。言當有齊國也。於子糾、則止曰糾、不言齊。以不當有齊也。不言子、非君嗣子也。公・穀竝注四處皆書納糾。左傳獨言子糾、誤也。然書齊人取子糾殺之者、齊大夫嘗與魯盟於蔇、旣欲納糾以爲君、又殺之。故書子。是二罪也。管氏始事糾、不正也。終從於正、義也。召忽不負所事、亦義也。如魏徵・王珪不死建成之難、而從太宗、可謂害於義矣。伊川。
【読み】
桓公公子糾を殺し、管仲死せずして之に從う。兄を殺す人、固に從う可けんや。曰く、桓公・子糾は、襄公の二弟なり。桓公は兄にして子糾は弟なり。襄公死するときは、則ち桓公當に立つべし。此れ春秋を以て之を知るなり。春秋に桓公を書しては、則ち齊の小白と曰う。當に齊の國を有つべきことを言うなり。子糾に於ては、則ち止糾と曰い、齊を言わず。當に齊を有つべからざるを以てなり。子と言わざるは、君の嗣子に非ざればなり。公・穀竝びに注四處に皆糾を納ると書す。左傳に獨り子糾と言うは、誤りなり。然れども齊人子糾を取えて之を殺すと書す者は、齊の大夫嘗て魯と蔇に盟って、旣に糾を納れて以て君とせんと欲して、又之を殺す。故に子と書す。是れ二つの罪あるなり。管氏の始め糾に事うるは、不正なり。終わりに正に從うは、義なり。召忽事うる所に負[そむ]かざるも、亦義なり。魏徵・王珪建成の難に死せずして、太宗に從うが如きは、義に害ありと謂う可し。伊川。

君子固窮者、固守其窮也。伊川。
【読み】
君子は固より窮すとは、固より其の窮まれるを守るなり。伊川。

知及之、仁不能守之、此言中人以下也。若夫眞知、未有不能行者。伊川。
【読み】
知之に及べども、仁之を守ること能わずとは、此れ中人以下を言うなり。若し夫れ眞知は、未だ行うこと能わざる者有らず。伊川。

民於爲仁、甚於畏水火、水火猶有蹈而死者、言民之不爲仁也。伊川。
【読み】
民の仁をするに於ること、水火を畏るるよりも甚だし、水火は猶蹈んで死する者有りとは、民の仁をせざることを言うなり。伊川。

爲仁在己、無所與讓也。明道。
【読み】
仁をすることは己に在り、與え讓る所無し。明道。

諒與信異、自大體是信。亮必爲也。明道。
【読み】
諒[まこと]と信とは異なり。大體自りすとは是れ信。亮[まこと]は必ずするなり。明道。

諒固執也。與亮同。古字通用。孟子曰、君子不亮、烏乎執。伊川。
【読み】
諒は固く執るなり。亮と同じ。古字通用す。孟子曰く、君子亮あらずんば、烏くにか執らん、と。伊川。

性相近、對習相遠而言。相近猶相似也。上智下愚才也。性則皆善。自暴自棄然後不可移。不然則可移。伊川。
【読み】
性は相近しとは、習って相遠しに對して言う。相近しとは猶相似るがごとし。上智下愚は才なり。性は則ち皆善なり。自ら暴[そこな]い自ら棄てて然して後に移る可からず。然らずんば則ち移る可し。伊川。

吾其爲東周乎、若用孔子、必行王道。東周衰亂、所不肯爲也。亦非革命之謂也。明道。
【読み】
吾れ其れ東周をせんかとは、若し孔子を用いば、必ず王道を行わん、と。東周の衰亂、肯えてせざる所なり。亦命を革むるの謂に非ざるなり。明道。

恭則不侮。蓋一恭則仁道盡矣。又寬以得衆、信爲人所任、敏而有功、惠以使人。行五者於天下、其仁可知矣。明道。
【読み】
恭なるときは則ち侮らず、と。蓋し一恭則ち仁道盡くせり。又寬以て衆を得、信にして人の爲に任ぜられ、敏にして功有り、惠以て人を使う。五つの者を天下に行う、其の仁なること知る可し。明道。

佛肸召子。必不徒然、其往義也。然終不往者、度其不足與有爲也。
【読み】
佛肸子を召[よ]ぶ。必ず徒然ならずして、其の往かんとするは義なり。然れども終に往かざる者は、其の與にすること有るに足らざることを度ればなり。

六言六蔽、正與恭而無禮則勞、寬而栗、剛而無虐之義。蓋好仁而不好學、乃所以愚。非能仁而愚、徒好而不知學乃愚。明道。
【読み】
六言六蔽は、正に恭にして禮無きときは則ち勞す、寬にして栗、剛にして虐すること無きの義と(同じ)。蓋し仁を好めども學を好まざるは、乃ち愚なる所以なり。能く仁にして愚なるに非ず、徒に好んで學を知らざれば乃ち愚なるなり。明道。

二南人倫之本、王化之基。苟不爲之、則無所自入。古之學者必興於詩。不學詩無以言。故猶正牆面而立。明道。
【読み】
二南は人倫の本、王化の基。苟も之を爲[まな]ばざるときは、則ち自って入る所無し。古の學者は必ず詩に興る。詩を學ばざれば以て言うこと無し。故に猶正しく牆に面[む]かって立つがごとし、と。明道。

孟子曰、敎亦多術矣。予不屑之敎誨也、是亦敎誨之而已矣。孔子不見孺悲、所以深敎之也。明道。
【読み】
孟子曰く、敎も亦術多し。予れ屑しとして敎誨せざること、是も亦之を敎誨するのみ、と。孔子孺悲に見わざる、深く之を敎うる所以なり。明道。

君子不施其親、施、與也。言其不私其親暱也。伊川。
【読み】
君子は其の親に施さずとは、施は、與うるなり。其の其の親暱[しんじつ]に私せざるを言うなり。伊川。

與人交際之道、則子張爲廣。聖人亦未嘗拒人。明道。
【読み】
人と交際する道は、則ち子張廣しとす。聖人も亦未だ嘗て人を拒まず。明道。

日知其所亡、月無忘其所能、此可以爲人師法矣。非謂此可以爲人師道。
【読み】
日々に其の亡き所を知り、月々に其の能くする所を忘るること無きは、此れ以て人の師法とす可し。此れ以て人師の道とす可しと謂うには非ず。

學不博則不能守約、志不篤則不能力行。切問近思在己者、則仁在其中矣。明道。
【読み】
學博らかざるときは則ち約を守ること能わず、志篤からざるときは則ち力め行うこと能わず。切に問いて近く思って己に在る者は、則ち仁其の中に在り。明道。

望之儼然、秉天陽高明氣象。卽之也溫、中心和易而接物也溫。備人道矣。聽其言也厲、則如東西南北正定。地道也。蓋非禮勿言也。君子之道三才備矣。明道。
【読み】
之を望むに儼然たるは、天の陽高明の氣象に秉る。之に卽くに溫[おだ]やかなるは、中心和易して物に接わるや溫やかなり。人の道を備うるなり。其の言を聽くに厲なるは、則ち東西南北正に定まるが如し。地の道なり。蓋し禮に非ずんば言うこと勿かれなり。君子の道は三才備われり。明道。

大德不踰閑、指君臣父子之大義。小德如援溺之事、更推廣之。伊川。
【読み】
大德は閑[おり]を踰えずとは、君臣父子の大義を指す。小德は溺るるを援ける事の如き、更に之を推し廣む。伊川。

學旣優則可以仕。仕旣優則可以學。優裕、優閑、一也。伊川。
【読み】
學んで旣に優[ゆたか]なるときは則ち以て仕う可し。仕えて旣に優なるときは則ち以て學ぶ可し。優裕、優閑は、一なり。伊川。

子張旣除喪而見。予之琴。和(徐本・呂本和作扣。)之而和、彈之而成聲。作而曰、先王制禮、不敢不至焉。推此言之、子張過於薄。故難與竝爲仁矣。明道。
【読み】
子張旣に喪を除いて見ゆ。之に琴を予[あた]う。之を和して(徐本・呂本和を扣[たた]いてに作る。)和し、之を彈じて聲を成す。作[た]って曰く、先王の禮を制する、敢えて至らずんばあらず、と。此を推して之を言うに、子張は薄きに過ぎたり。故に與に竝んで仁を爲し難し、と。明道。

子貢言性與天道、以夫子聰明而言。綏之斯來、動之斯和、以夫子德性而言。伊川。
【読み】
子貢性と天道とを言うというは、夫子の聰明を以て言う。之を綏[やす]んずれば斯に來り、之を動かせば斯に和らぐというは、夫子の德性を以て言う。伊川。

因民之所利而利之、若耕稼陶漁、皆因其順利而道之。明道。
【読み】
民の利する所に因って之を利すというは、耕稼陶漁、皆其の順利に因って之を道うが若し。明道。

知言之善惡是非、乃可以知人。孟子所謂知言是也。必有諸己、然後知言。知之則能格物而窮理。伊川。
【読み】
言の善惡是非を知らば、乃ち以て人を知る可し。孟子の所謂言を知るというは是れなり。必ず己に有って、然して後に言を知る。之を知るときは則ち能く物に格って理を窮む。伊川。

今之城郭、不爲保民。明道。
【読み】
今の城郭は、民を保んずるが爲ならず。明道。

君子道弘。故可大受、而不可小了知測。此孟子所以四十不動心。小人反是。明道。
【読み】
君子は道弘し。故に大いに受く可くして、小了知測す可からず。此れ孟子四十より心を動かさざる所以なり。小人は是に反す。明道。

有若等自能知夫子之道。假使汙下、必不爲阿好而言。謂其論可信也。伊川。
【読み】
有若等は自ら能く夫子の道を知る。假使[たと]い汙下なりとも、必ず阿り好んで言うことをせず。其の論の信ず可きを謂うなり。伊川。

惻、惻然。隱、如物之隱應也。此仁之端緒。赤子入井、其顙有泚。推之可見。伊川。
【読み】
惻は、惻然なり。隱は、物の隱[ひそ]かに應ずるが如し。此れ仁の端緒なり。赤子井に入る、其の顙[ひたい]に泚[あせ]有り。之を推して見る可し。伊川。

墨子愛其兄之子猶鄰之子。墨子書中未嘗有如此等言。但孟子拔本塞源、知其流必至於是。故直之也。伊川。
【読み】
墨子其の兄の子を愛すること猶鄰の子のごとし、と。墨子の書中未だ嘗て此の如き等の言有らず。但孟子本を拔き源を塞いで、其の流必ず是に至らんことを知る。故に之を直すなり。伊川。

廣居、正位、大道、一也。不處小節、則是廣居。
【読み】
廣居、正位、大道は、一なり。小節に處らざる、則ち是れ廣居なり。

事親若曾子而曰可者、非謂曾子未盡善也。人子事親、豈有大過曾子。孟子之心、皆可見矣。明道。
【読み】
親に事うること曾子の若くにして可なりと曰う者は、曾子未だ善を盡くさずと謂うには非ず。人子の親に事うる、豈曾子に大過有らんや。孟子の心、皆見る可し。明道。

君仁莫不仁、君義莫不義、天下之治亂係乎人君仁不仁耳。離是而非、則生於其心、必害於其政。豈待乎作之於外哉。昔者孟子三見齊王而不言事。門人疑之。孟子曰、我先攻其邪心。心旣正、然後天下之事可從而理也。夫政事之失、用人之非、知者能更之、直者能諫之。然非心存焉、則一事之失、救而正之、後之失者、將不勝救矣。格其非心、使無不正、非大人其孰能之。伊川。
【読み】
君仁あれば仁あらずということ莫く、君義あれば義あらずということ莫しとは、天下の治亂は人君の仁不仁に係るのみ。是を離れて非なるときは、則ち其の心に生じて、必ず其の政に害あり。豈之を外に作すことを待たんや。昔孟子三たび齊王に見えて事を言わず。門人之を疑う。孟子曰く、我れ先づ其の邪心を攻む。心旣に正しくして、然して後に天下の事從いて理む可し、と。夫れ政事の失と、人を用うるの非は、知者は能く之を更め、直き者は能く之を諫む。然れども非心存するときは、則ち一事の失、救って之を正せども、後の失する者、將に勝えて救わざらんとす。其の非心を格して、正しからずということ無からしむるは、大人に非ずんば其れ孰か之を能くせん。伊川。

君子小人澤及五世者、善惡皆及後世也。伊川。
【読み】
君子小人の澤五世に及ぶ者は、善惡皆後世に及ぶなり。伊川。

可以仕則仕、可以止則止、可以久則久、可以速則速、此皆時也。未嘗不合中。故曰君子而時中。伊川。
【読み】
以て仕う可きときは則ち仕え、以て止む可きときは則ち止み、以て久しかる可きときは則ち久しく、以て速やかなる可きときは則ち速やかにすとは、此れ皆時なり。未だ嘗て中に合わずんばあらず。故に君子にして時に中すと曰う。伊川。

孔子於儒悲、所謂不屑之敎誨者也。伊川。
【読み】
孔子の儒悲に於る、所謂屑しとして敎誨せざる者なり。伊川。

命皆一也。莫之致而至者、正命也。桎梏而死者、君子不謂命。伊川。
【読み】
命は皆一なり。之を致すこと莫くして至る者は、正命なり。桎梏して死する者は、君子命と謂わず。伊川。

恕者入仁之門。伊川。
【読み】
恕は仁に入るの門なり。伊川。

仁、理也。人、物也。以仁合在人身言之、乃是人之道也。伊川。
【読み】
仁は、理なり。人は、物なり。仁を以て人身に合在して之を言う、乃ち是れ人の道なり。伊川。

充實而有光輝、所謂修身見於世也。伊川。
【読み】
充實して光輝有るは、所謂身を修めて世に見るなり。伊川。

帶、蓋指其近處。下、猶舍也、離也。古人於一帶、必皆有意義。不下帶而道存、猶云只此便有至理存焉。(此一段伊川語、得之馬時仲。(徐本・呂本仲作伸。))
【読み】
帶は、蓋し其の近き處を指す。下、猶舍つるなり、離るるなりのごとし。古人一つの帶に於て、必ず皆意義有り。帶より下らずして道存すとは、猶只此れ便ち至理有って存すと云うがごとし。(此の一段伊川の語、之を馬時仲に得。(徐本・呂本仲を伸に作る。))

經德不囘、乃敎上等人。禍福之說、使中人以下知所畏懼修省。亦自然之理耳。若釋氏怖死以學道、則立心不正矣。明道。
【読み】
經の德囘[まが]らざるは、乃ち上等の人に敎ゆ。禍福の說は、中人以下をして畏れ懼るる所を知って修省せしむ。亦自然の理なるのみ。釋氏死を怖れて以て道を學ぶが若きは、則ち心を立つること正しからず。明道。


参考文献
『和刻本漢籍 二程全書』(中文出版社)
『二程集』(里仁書局)